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じるぜ の じじょう。 [観劇。]

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OFFICE SIKA×Cocco
「ジルゼの事情」
観てきました!!

デビューから愛して止まないCoccoが演劇の世界に!!!
しかも鹿殺しさんだ!!
この興奮がわかりますか!!
役者やってて公演情報でこんなに興奮した事ないかも(笑)
好きすぎて逆に「あっちゃん」なんて呼べなくて、
ライブにも行った事ないのに行く!行く!!と心に決めておりました。


折りしも公演情報を聞いたのが自分の公演中だったので
落ち着いてから…とチケット予約を先伸ばしていたらあっという間に完売。ぎゃふん。
しょんぼりしていたら追加公演決定!!わーい!!


というわけで、19日のソワレへ。
追加公演は22日のマチネと二回で、私自身が長期公演中のマチネに苦手意識があるので(うぉい)この日にしたのですが、


なんとCocooのお誕生日だった。(おいファン)


お客さんはいつも以上にCocco目当ての方が多いんだろうなぁ。
まあ私もそうなんですが、役者目線としてはホームなのにアウェー感満載な感覚にむずむず。


かくして17年の時を経て、初めての生Cocco拝見の時を迎えたのでした。
以下ネタバレあり。







物語はバレエ「ジゼル」がモチーフ。
折りしも妹がバレリーナなので昔見た事があります。
どんな話やったっけな…と思い出しながら見ていました。



舞台は渋谷、道玄坂にある寂れた喫茶店。
マスターだった父が妹と共に事故で亡くなり、母と長女が出来合いのメニューで切り盛りしている。
二人の死に責任を感じて自分を押し殺す長女に恋する幼馴染。
そんな彼の想いをよそに、常連客の売れない役者と心を通わせて喜ぶ長女。
しかしその男は、店の土地を手に入れる為に自分を利用していた事を幼馴染から知ってしまう。
母と幼馴染とで殺害計画を企てるが失敗に終わり、彼と婚約者が抱き合う姿を見て、彼女は死を選ぶ。


Coccoが出てきた瞬間、息を呑みました。
あ、Coccoだ!って興奮ではなく、え、Cocco?な気持ち。
一人引き立つわけでもなく、浮くこともなく、他の役者さん達と同じように自然に板の上に立っていました。
Coccoだって言われなければ、知らない人は綺麗な女優さんだなーって感じたと思います。
姿だけじゃなく芝居もとても自然で、
幼馴染の言動に笑い、想い人の告白に喜び、母の叱責に落ち込み、裏切りに絶望して。
思わず歌を口ずさみバレエのステップを踏む様は誇張も萎縮もなくて、本当に素敵でした。



でも本当にすごいのはここから先で。



喫茶店は深夜になると人知れずバーへと姿を変えていた。
父が執り仕切るそこでは遺恨を残して死んだ女達が、店に迷い込んだ男たちを殺していく。
殺した男の血を吸って全てを忘れる女達。
その中に、彼女も混ざっていた。
忘却の恍惚に浸っていた彼女の前に幼馴染が現れるが、彼も女達に殺されてしまう。
夜明けと共に死者が消えた店には、彼の遺体だけが残された。
生者の世界では、その混乱の中で母が喫茶店を手放す決意を固めるが、それを狙っていたはずの男はそれを拒み、なくなった彼女を求めていた。
店がなくなると夜の亡者の居場所もなくなる事を危惧した父親は、彼女に男を夜の店に誘うように言う。
生きていた頃の父の香りを残したジャケットを通じて男と再会し、喜びに舞う二人。
しかし父の言葉に彼女は想いを殺して夜の店に誘った。


ここからのCoccoが本当に素敵だった!!
生きていた頃の押し殺していた輝きが爆発したかのような美しさと色香。
血を飲んだ後の快楽に溺れていく様。
裏切られても捨てる事が出来ない恋心。
揺れてくるくると目まぐるしく動く心が見えました。



そして、夜の店にやってきた男を殺そうと襲い掛かる死者達。
だけど彼女は必死で止める。
邪魔をするならここから出て消えてしまえと叫ぶ父。
それを見て、彼女を守る為に店に居座る男。
そんな男を守る為、血を飲み自我を捨て、彼女は夜明けまで歌う。


生前男にもらったガジュマルの鉢植えに縋り付かせた男の背を抱く姿がとても愛おしかった。
「さよなら」って言ってるようだった。

その後、グラスをあおり、来ていたガウンを脱いで裸足になり、スタンドマイクの前に立った時、鳥肌が立った。

「Cocco」が現れた。そう思った。


芝居の時も、歌を口ずさんでいた時も、とても柔らかに響いていた声。
マイクを通して、激しく鳴るギターの音に乗って叩きつけられた声、歌の力強さは凄まじいものだった。
丸裸にされた心を容赦なく揺さぶる、丸裸の魂。
目が離せなかった。
涙が止まらなかった。
ああ、やっぱりすごい。
こんな想いにさせる人はやっぱりこの人しかいない。

そして一曲でこんなに死にそうになるから、私はやっぱりライブに行けない(笑)



夜が明け、死者の時間が終わった店には、男と、抜け殻のような彼女。
全てを忘れた彼女を抱きしめる男の首を、彼女は食いちぎる。
倒れた男に駆け寄る婚約者。黙って見つめる父。その姿に驚く母。成り行きを睨み続ける妹。
しかし男は死んでいなかった。
彼女の想いを思い知った父は、最期に彼女が大好きだったバレエを躍らせる。
嫉妬を捨てた妹と共に、彼女は軽やかに舞った。




なんだかんだでCoccoのことばかり書いてしまいましたが。
すごく、すごく良かったです。
ただCoccoがよかったからじゃなくて、その良さが鹿殺しの皆さんの中で表れたのがよかった。
想い人・虻レの内田さんの爽やかキャラ、それを保てないほどの抑えられない想い、
幼馴染・モリバンのオレノグラフティさんの緩急あるお芝居と不器用な恋心、
母・響子の傳田さんの弾けっぷりと娘への愛情、
父・ローズマリー(笑)の廣川さんの二人の娘それぞれへの心配り、
妹・加奈子の坂本さんの鋭いツッコミと姉妹ゆえの嫉妬、
婚約者・かよ子の恋敵なのに憎めないキャラクター、
虻レの部下・氷室の悪徳っぷりと虻レへの忠誠心、
そんな役者さん達がいて、それぞれの想いがあって、ヒロイン・優子が成立している。
この方達だったから、こんなに自然に委ねられたんだろうなって。

それに「Cocco」という武器をラストのあの時に出したのが本当によかった。
それまできらきらと輝いていた「優子」が消える、そのきっかけに惜しげもなく「Cocco」を爆発させた。


終わってから、Coccoの初舞台が鹿殺しさんでよかったって、本当に思いました。
この公演で、Coccoを知らない演劇好きの方がCoccoを知り、
演劇を観た事がなかったCoccoファンの方が演劇の良さを知れて、
それぞれを好きになれたらCocco好きの演劇人としてはすごくすごく幸せだなと。
またCoccoもお芝居してほしい。
歌わなくても観に行く!!
女優・Coccoも本当に素晴らしかった!!


観に行ってよかったです。
とてもとても素敵な時間をありがとうございました。
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