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あるけみすと。 [観劇。]

080718_2251~01.jpgALCHEMIST。
訳:錬金術師。


そんなわけで。
少年社中さんの「アルケミスト」
観てきました。

少年社中さんは前作の「カゴツルベ」が初めてだったのですが、
今回は第一回公演の再演だそうで。
今回がいつものテイストという事なのでしょうか。
すんません初心者で。

劇場に入ってまずびっくり。
おお、ポケットってこんなに奥行きがあったんだ。

見ながら席に移動していたら照明にぶつかる。(オイ)

慌ててスタッフさんの下へ走ってしまったわ。
ご迷惑おかけしてすみません。



錬金術とは『金』を無から作り出す方法にあらず。
この世の理を理解し、
賢者の石に辿り着く大いなる哲学。(チラシより。)


羊飼いの少年が毎晩同じ夢を見るようになり、
ジプシーの占い師の言葉から、それは己自身の夢へとつながっていく。
そこへ現れたアルケミスト。
彼に導かれるように、夢を目指して旅立つ少年。

絵本をめくっているように進んでいくストーリーが心地よかったです。
少年が歩むたびに次々と現れる登場人物。
そして目まぐるしく起こる『運命』。
少年が劇中で言ったように、その人々や現象が一つでも欠けてしまえば
同じ道はきっと辿っていなかったのだろうと感じました。

そんな彼を導き、見守るアルケミストがそりゃあもう素敵な役者さんで。
立ち居振る舞いもさることながら、あらゆる状況に全く役のブレが見えない。
ああこの人はアルケミストという人なんだと立っているだけで感じさせる。
空気というか、存在するだけで納得させられる。
物語で語られていない部分、その役がそういう人物になっただろう過去や知識が見える役者さんって本当にそうそういない。
そういう部分がしっかりしていると、意外な部分を見せられてもがくんとしないですんなり受け入れられる。
いやあホントに素敵でした。

何よりあの衣装で何事もなく軽やかに動けるのがステキ。(え)


あ、大阪出身として、おかんの「飴ちゃん食べる?」はクリーンヒットでした。(笑)
関西じゃなくてもおばちゃんはどこからか飴を出してくるけどさ。
このフレーズは関西ならではだよね、やっぱり。



絵本のようだと述べましたが、ラストも本当に本の最後のページのようで。
遂にたどり着いたピラミッドは既に盗賊たちが荒らした後。
宝なんてないとわかり、愕然とする少年に盗賊が投げかけたのは、
少年が初めて夢を見た教会に宝物があるという夢を見たという話。
しかし大人である自分はそこに全てを捨てていく事はしない。と言って去っていきます。

そこで舞台は終わります。

それを聞いた少年は、一体どうしたのだろう。
オアシスの姫も、最初に見た夢も捨てて、あの教会に行くのだろうか。
そこにまた宝がなかった時、彼は何を思うのだろうか。
羊飼いだった自分が宝だという事なんだろうか。

それとも姫と結婚して、自ら戦争を終わらせたオアシスでアルケミストに続く真の錬金術師として生きるのだろうか。
得たものを捨てる事ができなかった少年は大人になってしまったという事なんだろうか。
それが錬金術師の理である、変化し続けるという事なんだろうか。


私の中で、彼の運命はいつまでも終わりません。
きっと、それが答えなのでしょう。
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